
長崎の実家が空き家になり、「そろそろ何とかしないと」と思いながら手が止まっていませんか。
実家じまいは、家財の片付けだけでは終わりません。建物をどうするか、土地をどうするか、名義や契約はどうなっているのか。性質の違う作業がいくつも重なるため、何から始めればいいのか分からなくなるのが普通です。
しかも長崎のご実家は、坂の途中にあったり、車が入らない路地の奥にあったり、離島にあったりします。県外で暮らしていれば、帰省できる日数も限られます。
この記事では、長崎の実家じまいを6つのステップに分けて整理し、費用がどこにいくらかかるのかを内訳ごとに説明します。
長崎県内で家財の片付けと不用品処分の現場に入っている立場から、市町ごとのごみの出し方の違いや、現場で追加費用が出やすい条件までまとめました。
読み終える頃には、次の休みに何をすればいいのかが具体的に見えているはずです。
実家じまいとは?長崎で相談が増えている背景

「実家じまいという言葉は聞くけれど、遺品整理と何が違うのか」と迷う方は少なくありません。まずは言葉の意味と、長崎でご相談が増えている背景を整理します。
ご相談で特に多いのは、「親が施設に入って実家が空いたが、県外に住んでいて動けない」「相続の話は進んでいないのに、家財だけがそのまま残っている」「何から手をつければいいのか分からない」というお声です。長崎のご実家を片付ける方は福岡や関東など県外で生活されていることが多く、帰省できるのは数日という状況でご連絡をいただきます。
- 実家じまいの意味と遺品整理・生前整理との違い
- 長崎県の空き家率から見える実家じまいの現実
- 実家じまいを考え始める4つのタイミング
順に見ていきましょう。
実家じまいの意味と遺品整理・生前整理との違い
実家じまいとは、親が住んでいた家を住まいとして使わなくなったときに、家財の片付けから建物や土地の扱いまでを一区切りつけることを指します。
似た言葉との違いは、対象になる範囲です。
- 遺品整理:亡くなった方の持ち物を整理し、形見分けや処分を進める作業
- 生前整理:親が元気なうちに、本人の意思で持ち物や情報を整理しておく作業
- 実家じまい:家財の片付けに加えて、建物・土地・名義・契約の扱いまで含めた家全体の区切り
つまり実家じまいは、遺品整理や生前整理を工程の一部として含む、もっと大きな枠組みです。
親が亡くなった後に動き出す場合は遺品整理が入口になり、施設入所などをきっかけに動き出す場合は生前整理が入口になります。どちらから始めても、その先に建物と土地の判断が待っている点は変わりません。
始める時期の考え方については「遺品整理の最適な時期はいつ?後悔しないための判断ポイントと進め方を解説」でも取り上げています。
長崎県の空き家率から見える実家じまいの現実
長崎県は、空き家の多さが数字にはっきり表れている県です。
長崎県統計課「令和5年住宅・土地統計調査 集計結果(長崎県分)」によると、県内の総住宅数655,000戸に対して空き家は113,000戸あり、空き家率は17.3%となっています。平成30年の15.4%から上昇し、空き家数の増加率は11.3%増で全国12位でした。
一方、総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」では、全国の空き家率は13.8%です。長崎県は全国平均を3.5ポイント上回っていることになります。
現場の実感としても、「10年近く空き家のまま」というご実家は珍しくありません。
空き家だった期間が長いほど、片付けの難易度は上がります。湿気で畳や押し入れの中身が傷み、冷蔵庫の中身が腐り、虫が発生します。同じ間取りでも、閉め切って数年経った家と、直前まで人が住んでいた家では作業量がまったく違います。
先延ばしがそのまま費用の上振れにつながるのが、実家じまいの厄介なところです。
実家じまいを考え始める4つのタイミング
実家じまいに「この時期に始めるべき」という決まりはありませんが、ご相談が集中するタイミングは大きく4つあります。
1つ目は、親が高齢者施設に入所したときです。家は空きますが持ち物はそのまま残ります。本人に「これは残したい」と確認できる貴重な時期でもあります。
2つ目は、親が亡くなったときです。遺品整理が入口になり、相続の話し合いと同時に進むことになります。
3つ目は、親が元気なうちに一緒に進める場合です。判断を本人に任せられるため、家族間で揉めにくいのが利点です。
4つ目は、空き家の管理が続けられなくなったときです。草木が伸びる、雨漏りが出る、近隣から連絡が入る、といった段階です。空家等対策の推進に関する特別措置法では、適切に管理されていない空き家が管理不全空家等や特定空家等と判断されると、市町からの助言・指導や勧告の対象になる場合があります。勧告を受けると土地の固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなることがあり、税負担が変わる可能性もあります。
参照:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」
実家じまいの進め方6ステップ

実家じまいの工程は、6つに分けて考えると全体像がつかめます。順番を飛ばすと後戻りが発生しやすいので、番号どおりに進めるのが基本です。
- ステップ①:親ときょうだいで方針をそろえる
- ステップ②:実家の権利関係と契約状況を確認する
- ステップ③:残すものと手放すものを仕分けする
- ステップ④:家財の片付けと不用品処分を進める
- ステップ⑤:解体するか売却するかを決める
- ステップ⑥:登記と各種契約の解約手続きを済ませる
まずは①から見ていきます。
ステップ①:親ときょうだいで方針をそろえる
最初にやるべきは、片付けではなく話し合いです。
決めておきたいのは3点あります。家をどうするか、いつまでに終わらせるか、費用を誰がどう負担するかです。
現場で作業が止まるのは、たいていこの合意ができていないときです。搬出の当日に「あの簞笥は残す約束だった」と連絡が入り、作業を中断して確認を取る、という場面は実際にあります。
親が判断できる状態であれば、先に意向を聞いておきましょう。「捨てないでほしい物」を3つ挙げてもらえるだけでも、その後の仕分けが驚くほど早く進みます。
ステップ②:実家の権利関係と契約状況を確認する
次に、家の立場をはっきりさせます。確認したいのは次の項目です。
- 建物と土地の名義(親のままか、すでに相続登記が済んでいるか)
- 持ち家か賃貸か(賃貸なら退去期限と原状回復の範囲)
- 住宅ローンの抵当権が残っていないか
- 電気・ガス・水道・電話・インターネット・新聞・警備などの契約
- 農地や山林、共有名義の土地が付いていないか
見落とされやすいのが、実家が賃貸だったケースです。この場合は実家じまいというより退去の話になり、期限が先に決まります。家財を残したままにできないため、片付けのスケジュールが最優先事項になります。
名義が親のままなら、相続登記も必要です。法務省「相続登記の申請義務化について」によると、令和6年4月1日から相続登記の申請は義務となり、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請しなければならないとされています。正当な理由なく怠った場合は10万円以下の過料の対象です。施行日より前に相続した不動産も対象で、その場合は令和9年3月31日までが期限とされています。
ステップ③:残すものと手放すものを仕分けする
仕分けは「残す」「手放す」「保留」の3つに分けると進みます。
迷った物をその場で決めようとすると手が止まるので、保留の箱を用意しておくのがコツです。判断は最後にまとめて行えば十分です。
優先して探しておきたいのは、次のような物です。
- 権利証(登記識別情報)や売買契約書
- 預金通帳・印鑑・保険証券・年金関係の書類
- 遺言書やエンディングノート
- 現金・貴金属・商品券
- 写真やアルバム、手紙などの思い出の品
限られた帰省時間でここまで終われば、あとの搬出作業は任せられる状態になります。
ステップ④:家財の片付けと不用品処分を進める
仕分けが終わったら、残った家財の処分に入ります。
方法は大きく2つです。自治体の制度を使って自分で出すか、業者にまとめて任せるかになります。実家1軒分となると量が多いため、業者に任せるケースが大半です。
理由は、自治体の粗大ごみ収集が「少量を計画的に出す」前提の仕組みだからです。長崎市では粗大ごみの収集は事前申込制で、1回に出せるのは2個までとされています。家具・家電・寝具・食器・衣類が家一軒分そろっている状態を、2個ずつ出していくのは現実的ではありません。
各市町の具体的な仕組みの違いは後ほど整理します。長崎県内で空き家の家財を片付けるときの流れは「長崎で空き家の片付けに困ったら?おすすめ業者と費用相場を解説」でも紹介しています。
ステップ⑤:解体するか売却するかを決める
家財が片付いたら、次は建物の判断です。
選択肢は、現況のまま売る、解体して更地で売る、賃貸などで活用する、当面は所有し続ける、の4つに整理できます。
判断材料になるのは、建物の傷み具合、前面道路の広さ、周辺の取引状況、そして税金です。
税制面では、相続した空き家を売ったときの特例があります。国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」では、一定の要件を満たす場合に譲渡所得から最高3,000万円(取得した相続人の数が3人以上の場合は2,000万円)を控除できるとされています。相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であることなどが要件で、適用期限は令和9年12月31日までの譲渡です。
要件は細かく、建物を取り壊してから売る場合と耐震基準を満たして売る場合で扱いが変わります。金額の見通しを立てる前に、税理士や税務署に確認しておくと安心です。
ステップ⑥:登記と各種契約の解約手続きを済ませる
最後に手続きを片付けます。主なものは次のとおりです。
- 相続登記(司法書士へ依頼するか、自分で法務局へ申請する)
- 電気・ガス・水道・電話・インターネットなどの解約
- 火災保険・地震保険の名義変更または解約
- 固定資産税の納税通知書の送付先変更
ここで現場から1つお伝えしたいことがあります。ライフラインの解約は、片付けが終わってからにしてください。
照明が使えないと家の中が暗く、写真も撮れません。夏場に電気を止めると室内の温度が上がり、作業効率が落ちます。水道が止まっていれば簡単な清掃もできません。「もう住んでいないから」と先に止めてしまい、作業日に困るケースは意外と多いのです。
実家じまいにかかる費用の総額と内訳

結論から言うと、実家じまいの費用は「家財の片付け」「建物の解体」「売却と手続き」の3つに分けて考えると見通しが立ちます。総額をいきなり計算しようとすると、必ずどこかで手が止まります。
- 総額はケース別に3パターンで考える
- 内訳①:家財の片付け・不用品処分にかかる費用
- 内訳②:建物の解体にかかる費用
- 内訳③:売却・登記・専門家に支払う費用
- 長崎の現場で追加費用が発生しやすいケース
それぞれ具体的に紐解いていきます。
総額はケース別に3パターンで考える
実家じまいの進め方は、大きく3パターンに分かれます。どれを選ぶかで、かかる費用の項目が変わります。
| 進め方 | 主にかかる費用 | 向いているケース |
|---|---|---|
| パターン1:片付けだけして現況のまま売却・活用する | 家財の片付け費用+売却や登記の手続き費用 | 建物がまだ使える/買い手や借り手が見込める |
| パターン2:片付けたうえで解体し、更地にする | 家財の片付け費用+解体費用+登記の手続き費用 | 老朽化が進んでいる/管理を続けられない |
| パターン3:片付けだけ先に済ませ、建物の扱いは保留する | 家財の片付け費用(+固定資産税などの維持費) | 相続の話し合いが途中/親族の合意がこれから |
どのパターンでも共通して最初に発生するのが、家財の片付け費用です。
裏を返せば、片付けだけは先に進めておいても無駄になりません。実際、「解体するか売るかは決まっていないが、中の物だけ先に何とかしたい」というご依頼は多くいただきます。
内訳①:家財の片付け・不用品処分にかかる費用
家財の片付け費用は、間取りと荷物量でおおよその見当がつきます。
中村トランスポート株式会社の遺品整理・実家じまいの料金の目安は次のとおりです。出張費・作業費・処分費を含んだ金額です。
| 間取り | 作業時間の目安 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| 1R・1K | 約1〜3時間 | 39,000円〜 |
| 1DK・1LDK | 約2〜4時間 | 69,000円〜 |
| 2DK・2LDK | 約3〜6時間 | 119,000円〜 |
| 3DK・3LDK | 約5〜8時間 | 179,000円〜 |
| 4LDK以上 | 約1〜2日 | 239,000円〜 |
実際の作業例では、次のような金額と時間になっています。
- 大村市/遺品整理 4DK戸建:作業員4名・5時間30分・198,000円(ご依頼から3日後に作業実施)
- 長崎市/遺品整理 2LDK:作業員3名・4時間・132,000円(県外在住のご家族から鍵をお預かりして対応)
- 諫早市/遺品整理と形見配送 3DK:作業員4名・6時間・187,000円(家具をご親族宅へ配送)
同じ4DKでも、荷物量と現場条件によって金額は動きます。目安の料金表だけで判断せず、必ず見積もりで確認してください。
長崎県内の費用感については「長崎での遺品整理費用の相場とおすすめ業者を解説」でも整理しています。
内訳②:建物の解体にかかる費用
建物の解体は、解体工事業者が行う工事です。中村トランスポートがお引き受けするのは家財の片付けと不用品の処分までで、解体工事そのものは専門の業者へ依頼していただく必要があります。
解体費用が変わる主な要素は次のとおりです。
- 建物の構造(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)と延床面積
- 前面道路の幅と、重機やダンプが入れるかどうか
- 隣家との距離(近いほど養生や手壊しの範囲が増える)
- ブロック塀・庭木・物置・浄化槽・カーポートなどの付帯物
- アスベストの事前調査と、含有していた場合の除去
長崎では、車が入らない斜面地の住宅がここに大きく効いてきます。重機が入れなければ手壊しの割合が増え、廃材の運び出しも人力になります。
費用を抑える制度としては、市町の補助金があります。長崎市「特定空家等除却費補助金」では、老朽化して危険である、または危険となるおそれがある特定空家等について除却費の一部を最大50万円まで補助するとされており、令和8年度の申請受付は令和8年4月13日から始まっています。
諫早市「令和8年度 諫早市老朽危険空家等除却助成事業」でも上限50万円の助成が設けられていました。ただし令和8年度の募集は6月30日で終了しており、助成件数も10件程度とされています。市の案内では、助成件数に達しなかった場合は再度募集を行うことがあるとされているため、これから解体を考えている方は、市の担当窓口で次の募集予定や現在の受付状況を確認しておくと安心です。
ここで押さえておきたいのは、補助制度には年度ごとの受付期間と件数の枠があるという点です。
思い立ったときにいつでも申請できるとは限らず、着工前の申請が原則になっている制度がほとんどです。解体を検討し始めた段階で、まず市町の担当窓口へ問い合わせておくと選択肢が広がります。
もう1つ、解体前に家財が残っていると費用が上がります。室内に家具や家電が残ったまま工事に入ると、それらは工事に伴う廃棄物として扱われ、分別と処分の手間が加算されます。先に中を空にしておくほうが、結果的に安く収まるケースが多いのです。
内訳③:売却・登記・専門家に支払う費用
売却と手続きにかかる費用は、法律で決まっているものと、専門家への報酬に分かれます。
相続登記では登録免許税がかかります。国税庁「登録免許税の税額表」によると、相続による所有権の移転登記の税率は不動産の価額の1,000分の4で、課税標準は原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。ここに、司法書士へ依頼する場合の報酬が加わります。
売却を不動産会社に仲介してもらう場合は、仲介手数料がかかります。金額は業者が自由に決められるわけではなく、宅地建物取引業法によって受け取れる報酬の上限が定められています。
このほか、遺産分割協議書の作成や相続税の申告が必要な場合には、司法書士や税理士への報酬が発生します。
税金や登記の扱いは、家族構成や資産の内容によって結論が変わります。金額を試算する段階で、司法書士や税理士に一度確認しておくことをおすすめします。
長崎の現場で追加費用が発生しやすいケース
同じ間取りでも金額が変わるのは、荷物量と現場条件が違うからです。
実際にお引き受けした家財・残置物の撤去事例を挙げます(五島市の事例を含みます)。
| 物件・間取り | 撤去量 | 作業体制 | 総額 | 現場の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 戸建て 4DK | 22㎥ | 5名・2日 | 315,000円 | 冷蔵庫内に腐敗物があり洗浄とリサイクルが必要 |
| 戸建て 3LDK | 16㎥ | 4名・1日 | 253,000円 | 道幅が狭く2tトラックが進入できず手運び |
| 戸建て 5LDK | 30㎥ | 7名・3日 | 620,000円 | 足の踏み場がなく害虫対応が必要 |
| 戸建て 6DK | 38㎥ | 8名・3日 | 780,000円 | 300kgの金庫あり |
| 離島(五島市) 3DK | 12㎥ | 3名・1日 | 275,000円 | フェリーの便に合わせて搬出 |
金額が上がっているのは、間取りが大きいからだけではありません。
トラックが現場まで入れるか、階段を何往復するか、中身が腐っていないか、重量物があるか。この4点が作業人数と日数を決め、そのまま金額に反映されます。
見積もりの段階で現場の条件を正確に伝えるほど、金額のブレは小さくなります。
実家じまいの費用が読めないのは、片付け・解体・手続きという性質の違う支出が、別々の相手に順番に発生するからです。全部をまとめて考えようとすると、いつまでも総額が確定しません。
まず動かせるのは家財の片付けです。中村トランスポートはお見積りが確定した後の追加請求は行っておらず、相見積もりのご相談も歓迎しています。
お部屋の写真を数枚お送りいただくだけでも概算をお出しできますので、総額の見当をつける最初の一歩としてご利用ください。
お電話(0957-53-5656)、LINE、お問い合わせフォームのいずれからでもご相談いただけます。
長崎で実家じまいをするときに押さえておきたいこと

長崎の実家じまいには、他の地域とは違う条件が3つあります。坂と狭い道、離島への航路、そして市町ごとに違うごみの出し方です。ここを知らないまま計画を立てると、日程も費用も想定から外れます。
- 坂と狭い道が作業日数と費用を左右する
- 五島・壱岐・対馬など離島の実家はフェリーから逆算する
- 自治体で異なるごみの出し方と解体補助金
- 県外に住みながら長崎の実家じまいを進める方法
以下で詳しく説明します。
坂と狭い道が作業日数と費用を左右する
長崎の住宅事情で最も費用に響くのは、トラックを家の前まで着けられるかどうかです。
斜面地の住宅では、車を停められる場所から玄関まで階段が続いていることがあります。この場合、家財は1つずつ人が担いで運びます。2tトラックが入れない路地であれば、小型車で何度も往復するか、途中で積み替えることになります。
前掲の3LDKの撤去が253,000円になったのも、道幅が狭くトラックが進入できず、すべて手運びになったためです。
見積もりを依頼するときは、次の3点を伝えておくと精度が上がります。
- 家の前の道路の幅(軽トラックまでか、2tトラックが入るか)
- トラックを停められる場所から玄関までの距離と階段の有無
- 集合住宅の場合は階数とエレベーターの有無
写真を送る場合も、室内だけでなく家の前の道路を撮っておくと、その場で判断できます。
五島・壱岐・対馬など離島の実家はフェリーから逆算する
離島にご実家がある場合、作業日程はフェリーの時刻表から逆算して組み立てます。
中村トランスポートは提携するフェリー会社5社との関係のもと、離島の引越しを年間およそ50件、10年以上にわたって対応してきました。その経験から言えるのは、離島の作業では積み残しが一番痛いということです。
次の便が翌日、あるいは数日後という航路もあるため、1回の便に積み切れなかった分は、そのまま日程の遅れと費用の増加につながります。
前掲の五島市の3DK(12㎥・作業員3名・275,000円)も、フェリーの便に合わせて搬出時間を組んだ事例です。港での待機時間が発生する航路では、早朝や夜間の作業になることもあります。
連休前は便が混み合い、大型車両の予約も取りにくくなります。離島のご実家を片付けるなら、日程には余裕を持たせておくのが安全です。
離島への輸送体制は「離島引越しプラン」のページでも紹介しています。
自治体で異なるごみの出し方と解体補助金
長崎県内でも、市町によってごみの出し方は大きく違います。
長崎市では粗大ごみは事前申込制です。長崎市「粗大ごみの出し方」によると、申し込みは電話(095-801-2200)またはインターネットで行い、1回の収集で出せるのは2個までとされています。収集までは通常1〜2週間程度、繁忙期は3週間程度かかる場合があります。手数料は粗大ごみステッカーで支払い、令和8年4月1日以降は長さ1m以下かつ重さ30kg以下が730円、長さ1m超2m未満かつ重さ30kg超60kg未満が1,460円です。
一方、大村市「粗大ごみや引越しなどの大量のごみを処分するとき」では、粗大ごみや引越しなどで大量に出るごみについて、環境センターへ持ち込むか、市の許可業者へ依頼する方法が案内されています。持ち込む場合は当日に電話連絡が必要で、名前・住所・電話番号・持ち込み予定の内容物を伝える必要があります。なお、家電4品目(テレビ、洗濯機・衣類乾燥機、エアコン、冷蔵庫)とパソコンは環境センターへ持ち込めないため、別の方法を考えておく必要があります。
ここから見えるのは、実家1軒分の家財を自治体の制度だけで処分するのは現実的ではないということです。
長崎市の仕組みに当てはめると、家具や家電が20点あれば10回の申し込みが必要になり、収集を待つだけで数か月かかる計算になります。県外から通いながらこれをこなすのは、まず不可能です。
解体費の補助金についても、先に触れたとおり長崎市と諫早市では受付時期も要件も異なります。長崎県だから同じ、と考えずに、ご実家がある市町の窓口で確認してください。
県外に住みながら長崎の実家じまいを進める方法
ご実家が長崎で、ご自身は県外という方は非常に多くいらっしゃいます。
この場合は、帰省できる日を「判断が必要な作業」に集中させ、それ以外は現地に任せる形にすると進みます。
帰省したときにやること
- 残す物と手放す物の仕分け(親の意向確認を含む)
- 権利証・通帳・保険証券など重要書類の回収
- 形見や写真の持ち帰り
- 必要な場合のみ業者への立ち会い
任せられること
- 家財の搬出と処分
- 大型家具の解体と搬出
- 作業後の簡易清掃
- 作業後の写真報告
中村トランスポートでは、お部屋の写真をお送りいただければ現地に伺わずに概算をお出しできます。長崎県内なら最短30分から1時間で現地に伺うことができ、鍵をお預かりしての立会不要の作業と、写真での報告にも対応しています。
実際、長崎市の2LDK(作業員3名・4時間・132,000円)は、県外にお住まいのご家族から鍵をお預かりして進めた事例です。
作業当日の細かな確認事項は「よくあるご質問」にもまとめています。
「次の連休に帰るときに全部片付けよう」と考えていたのに、当日になって量の多さに手が止まり、また持ち越しになる。実家じまいで最も多い足踏みがこれです。
帰省の日程が決まっているなら、そこから逆算して動くと1回で終わらせられます。長崎県内であれば最短30分から1時間で現地に伺えますし、お写真だけでも原則1時間以内に対応の可否と概算をお伝えしています。
日程が合うかどうかの確認だけでも構いません。次の帰省の予定が見えた時点で、一度ご相談ください。
お電話 0957-53-5656 のほか、LINE・お問い合わせフォームからも受け付けています。
実家じまいでやってはいけない失敗と後悔しやすいポイント

ここを外すと、費用が増えるだけでなく、家族や大家さんとの関係にも影響が出ます。実際に現場で見てきた失敗を4つ挙げます。
- 家財をすべて自分たちで運ぼうとして破損やケガにつながる
- 形見・重要書類・思い出の品を確認せずに処分してしまう
- 賃貸だった実家で残しておくべき設備まで持ち出してしまう
- 費用の負担割合を決めないまま作業を始めてしまう
ひとつずつ確認していきます。
家財をすべて自分たちで運ぼうとして破損やケガにつながる
費用を抑えたい気持ちから、家族や友人だけで運び出そうとする方は多くいます。
実際にあったのは、ご自身とご友人で運搬している最中に家財を落として破損させてしまったケースです。また、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電が玄関や階段を通らず、結局あとから業者に依頼することになった例もあります。
長崎の家は、搬出経路に階段や急な坂を含むことが少なくありません。大型家具を抱えて階段を下りる作業は、けがのリスクが高くなります。
段ボールに詰められる小物はご家族で、大型の家具・家電と大量の可燃物は業者で、と分けたほうが安全ですし、結果的に時間も短くなります。
形見・重要書類・思い出の品を確認せずに処分してしまう
急いで片付けると、必ず何かを失います。
処分してから気づくことが多いのは、権利証、預金通帳、保険証券、年金関係の書類、そして手紙やアルバムです。写真は一度手放すと二度と戻りません。
現場では、仏壇の引き出しや押し入れの奥の紙袋から、通帳や現金が出てくることがあります。ご家族が「そこには何もない」と思っている場所ほど注意が必要です。
作業を業者に任せる場合も、「探してほしい物」を先に伝えておけば、見つかった時点で作業を止めて確認してもらえます。写真や手紙は別の部屋にまとめておくと、誤って処分される心配がありません。
判断に迷う品物の扱いは「遺品整理の注意点とは?捨ててはいけないものと正しい処分方法を解説」で詳しく説明しています。
賃貸だった実家で残しておくべき設備まで持ち出してしまう
実家が賃貸だった場合に起きやすいのが、設備をめぐる行き違いです。
退去のトラブルは、入居時の状態で引き渡せていないときに起こります。実際にあったのは、次の2つのパターンです。
- 部屋に備え付けられていた照明器具・物干し台・物干し竿を、自分たちの物だと思って持ち出してしまった
- 逆に、親が後から買ったガスコンロや靴箱を元々あった設備だと思い込んで置いていき、後日撤去を求められた
どちらも、入居時の契約書と設備一覧を確認していれば防げます。
民法第621条では、賃借人は賃貸借が終了したときに、通常の使用による損耗や経年変化を除いて、生じた損傷を原状に復する義務を負うとされています。設備の扱いに迷う場合は、作業前に管理会社や大家さんへ確認を取っておくのが確実です。
判断がつかない物は、動かす前に写真を撮っておくと後の説明がしやすくなります。
費用の負担割合を決めないまま作業を始めてしまう
費用の話を後回しにすると、作業が終わってから揉めます。
「近くに住んでいる長男が立て替えたが、その後の精算が進まない」というご相談は珍しくありません。
避けるためのポイントは2つあります。
1つ目は、作業前に見積書をきょうだい全員が見られる形で共有しておくことです。金額と作業範囲が文書で残っていれば、後から認識のずれが起きにくくなります。
2つ目は、支払いの出どころを先に決めておくことです。相続財産から支出するのか、いったん誰かが立て替えるのか。相続財産から出す場合の扱いは状況によって変わるため、遺産分割の話し合いと合わせて司法書士や税理士に相談しておくと安心です。
実家じまいはどこに相談する?工程別の頼み先の分け方

実家じまいは、1社ですべてが完結する作業ではありません。工程ごとに専門が分かれていることを知っておくと、どこへ連絡すればよいかで迷わなくなります。
- 家財の片付け・不用品処分は不用品回収や遺品整理の業者へ
- 建物の解体は解体工事業者へ
- 売却・賃貸活用は不動産会社へ
- 相続登記や税金は司法書士・税理士へ
- 見積もりを依頼する前にそろえておきたい情報
まずは全体像を表で整理します。
| 工程 | 主な頼み先 | 依頼する内容 |
|---|---|---|
| 家財の片付け・不用品処分 | 不用品回収業者・遺品整理業者 | 仕分けの補助、搬出、処分、形見の配送 |
| 建物の解体 | 解体工事業者 | 建物の取り壊し、廃材処理、整地 |
| 売却・賃貸活用 | 不動産会社 | 査定、媒介、買主や借主の募集 |
| 相続登記・遺産分割 | 司法書士 | 相続登記、必要書類の作成 |
| 相続税・譲渡所得 | 税理士 | 申告、特例が使えるかの判断 |
家財の片付け・不用品処分は不用品回収や遺品整理の業者へ
家の中の物を運び出して処分する工程は、不用品回収や遺品整理を扱う業者の担当です。
中村トランスポートがお引き受けしているのも、この範囲です。一般貨物自動車運送事業、一般廃棄物収集運搬業、古物商の3つの許可を持ち、遺品整理士認定協会の認定を受けたうえで作業にあたっています。
引越会社が母体のため、運ぶこと自体を得意としています。処分するだけでなく、ご親族宅へ家具を届ける、必要な物を一時的に保管する、家具の配置換えまで行う、といった対応も同じ窓口でお受けできます。
許可や体制については「会社概要」でご確認いただけます。
建物の解体は解体工事業者へ
建物を取り壊す工事は、建設業の許可または建設リサイクル法に基づく解体工事業の登録を受けた業者が行います。中村トランスポートでは解体工事は行っておりません。
依頼の順番として大切なのは、家財の撤去を先に済ませることです。
室内に家財が残ったまま解体を進めると、分別と処分の手間が工事費に乗ります。補助金を使う場合は着工前の申請が原則になっているため、工事を発注する前に市町の窓口へ相談しておく必要があります。
売却・賃貸活用は不動産会社へ
売却や賃貸の相談先は不動産会社です。
現況のまま売るのか、更地にしてから売るのか、賃貸に回すのかで、事前に必要な作業が変わります。解体してから売ったほうがよい物件もあれば、古家付きのまま売れる物件もあります。
判断の前に複数社の査定を受けておくと、解体費をかける意味があるかどうかが見えてきます。市町によっては空き家バンクなどの制度が用意されている場合もあるため、自治体の窓口にも合わせて確認してみてください。
相続登記や税金は司法書士・税理士へ
名義の変更や税金は、司法書士と税理士の領域です。
相続登記は司法書士に依頼するのが一般的ですが、ご自身で法務局に申請することもできます。前述のとおり申請には3年以内という期限があるため、家の扱いが決まっていなくても登記だけは先に進めておく、という判断もあります。
相続税の申告が必要かどうか、空き家の売却で特例が使えるかどうかは、税理士に確認するのが確実です。
見積もりを依頼する前にそろえておきたい情報
家財の片付けを依頼するとき、次の情報がそろっていると回答が早くなります。
- ご実家の所在地(市町名まで)と間取り・築年数
- 建物の前の道路の幅と、トラックを停められる場所
- 玄関までの階段の有無、集合住宅なら階数とエレベーターの有無
- 残したい物があるかどうか
- 希望の作業日と、鍵を誰が持っているか
- お部屋の写真3〜5枚(各部屋の全体が写るもの)
現地を見なくても概算が出せるのは、この情報がそろっている場合です。逆に情報が少ないと「現地を確認しないと分かりません」となり、県外にお住まいの方ほど話が進まなくなります。
依頼前に確認しておきたい点は「空き家の片付け・不用品回収業者おすすめ3選!費用を抑えるコツと業者の選び方も解説」でも紹介しています。
長崎の実家じまいでよくある質問
お問い合わせをいただく中で、特に多いご質問をまとめました。
- Q. 実家じまいは全部でどれくらいの期間がかかりますか?
- Q. 実家じまいの費用は誰が払うのが一般的ですか?
- Q. 仏壇や神棚はどのように扱えばよいですか?
- Q. 親が元気なうちに実家じまいを始めても問題ありませんか?
- Q. 遠方に住んでいて立ち会えなくても依頼できますか?
具体的なポイントは次のとおりです。
Q. 実家じまいは全部でどれくらいの期間がかかりますか?
家財の片付けだけなら1日から数日で終わります。一方、売却や登記まで含めると、数か月から1年以上かかることもあります。
期間の目安を考えるときは、制度上の期限から逆算するのが現実的です。相続登記は相続の開始とその不動産の所有権取得を知った日から3年以内、相続した空き家の売却で3,000万円の特別控除を検討する場合は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までが売却の期限とされています。
つまり、相続の発生からおよそ3年が1つの区切りです。逆算すると、片付けは早い段階で終わらせておくほど選択肢が残ります。
Q. 実家じまいの費用は誰が払うのが一般的ですか?
法律で決まったルールはありません。相続人で分担する、実家を引き継ぐ人が負担する、相続財産から支出する、といった形が実際には多く見られます。
大切なのは、作業を始める前に決めておくことです。見積書を全員で共有し、金額と作業範囲を確認したうえで進めると、後の精算で揉めにくくなります。
相続財産から支出する場合の扱いは状況によって異なるため、遺産分割の話し合いの中で司法書士や税理士に相談しておくと安心です。
Q. 仏壇や神棚はどのように扱えばよいですか?
菩提寺やご宗派がある場合は、まず閉眼供養について相談されるのが一般的です。
中村トランスポートでは、仏壇・人形・写真などを提携寺院にて合同供養のうえお焚き上げしています。閉眼供養についてもご相談いただけます。
手放すことに抵抗がある物は、無理に判断せず作業日まで保留にしておいて構いません。当日、現物を見ながら決めていただくこともできます。
Q. 親が元気なうちに実家じまいを始めても問題ありませんか?
問題ありません。むしろ、親の意向を確認しながら進められるという意味では最も進めやすい時期です。
亡くなった後の片付けでは、「これは残すべきだったのか」が誰にも分かりません。生前であれば、残す物と手放す物を本人に決めてもらえます。
進め方は「生前整理でやること7選!後悔しないための実践ポイントをご紹介」にまとめています。
ただし、親の同意なく物を処分するのは避けてください。信頼関係を損ねると、その後の話し合い全体が止まります。
Q. 遠方に住んでいて立ち会えなくても依頼できますか?
対応できます。事前にご相談いただければ、鍵をお預かりしての立会不要の作業と、作業後の写真報告に対応しています。
お見積りもお部屋の写真をお送りいただければ現地に伺わずにお出しできますので、長崎に来られない期間でも話を進められます。
実際に、県外にお住まいのご家族から鍵をお預かりして長崎市の2LDK(作業員3名・4時間・132,000円)を対応した事例があります。
初めて片付けを依頼される方から多いのが、「見積もりだけ取って断ったら気まずいのでは」というご心配です。
中村トランスポートはご相談・お見積りを無料で承っており、しつこい営業はいたしません。相見積もりのご相談も歓迎しています。
まだ何も決まっていない段階でも構いません。「解体するか売るかも決めていないが、中の物だけどうにかしたい」というところから始まる実家じまいは、実際とても多くあります。
お電話 0957-53-5656、LINE、お問い合わせフォームの3つの窓口をご用意しています。ご依頼いただいた方からの評価は「お客様の声」でもご覧いただけます。
長崎の実家じまいは片付けから順番に進めていきましょう
長崎の実家じまいは、次の順番で考えると迷いません。
- 方針をそろえる、権利関係を確認する、仕分けする、片付ける、建物の扱いを決める、手続きを済ませる
- 費用は「家財の片付け」「建物の解体」「売却と手続き」の3つに分けて把握する
- 長崎では、坂と狭い道、離島の航路、市町ごとのごみの出し方が日程と費用を左右する
長崎県の空き家率は17.3%と全国平均を大きく上回っており、空き家のまま時間が過ぎるほど、家財の傷みと管理の負担は増えていきます。
そして、どの進め方を選んでも最初に必要になるのは家財の片付けです。建物をどうするか決まっていなくても、片付けだけは先に進められます。
中村トランスポートは、長崎県内全域と離島に対応し、仕分けの補助から搬出・処分、ご親族宅への形見の配送まで、ひとつの窓口でお引き受けしています。解体や売却は専門の業者・不動産会社にお願いすることになりますが、その前段にあたる家財の片付けは私たちにお任せください。
お部屋の写真を送っていただくだけでも概算をお伝えできます。
お電話(0957-53-5656)、LINE、お問い合わせフォームのいずれからでもご相談いただけます。
なお、相続登記・税金・不動産の売却に関する判断は、個別の事情によって結論が変わります。本記事は一般的な情報提供を目的としたものですので、実際の手続きにあたっては司法書士・税理士・不動産会社などの専門家にご相談ください。

